自分らしく生きる、自分らしく仕事をするのに とても大切なこと

内向タイプが自分らしく働ける世の中に

企業が求める社員像は今や、活私奉公型(EQ型)のビジネスマンへ
変化しています。

EQ型とは、時間短縮など企業が手放した自由裁量の部分を、
みずから判断して生活設計していくことができるタイプのことです。

この変化は、社員一人ひとりの潜在能力(持ち味)の掘り起こしを図らざるを得ず、企業内の動揺はさておき、内気人間にとっては非常にありがたい有利な変化と見ることができます。

こうした中で、私が感じることは働く人間の顔が見える企業と顔が見えない企業があるということです。

人間の顔が見える企業は、社員の表情や行動が生き生きしていて、業績が伸びている企業に多く感じます。

一方、鋳型にはめられたような顔しか見えない企業は、鯵屈した雰囲気があり、表情にも明るさが感じられず、業績も伸び悩んでいる企業でなのです。

なぜ、どこが違うのでしょうか?

伸びる企業では、心が開かれていて風通しが良いのです。

トップやリーダーは皆、ミスターEQ

社員の一人ひとりもそれぞれの持ち味を仕事に活かしているから、
自信と明るさがおのずと見えているのです。

いよいよ自分らしく生きられる時代になったのだから、
悩んでいるのはもったいないですよ!

人間という角度から最近の世の中を観ると、3つのポイントがあると思います。

1.いまはネットワーク社会であって、1人では生きられないと
  いうこと。好きも嫌いもない共生が大事な概念になっている。

2.人にこだわって生きる時代だということ。自分が納得できる
  人間とつき合い、納得できる人間と仕事をする時代だということ。

3.人間臭さ、人間らしさが中心になる時代だということ。
  世の中がハイテクになればなるほど、人間臭さや人間らしさが
  求められ、その人なりの才能や持ち味が活かされる時代になると
  いうこと。

自分がシナリオを言き、自分で演出し、自分が演じる、
これからはそういう時代になっていくのです。

もう会社はこれまでのように最後まで面倒はみてくれません。

そういう時代に生き残るためには、自分が持っているものを
磨き上げ、自分で挑戦していかなければならなりません。

黙々と考え、気ままに発想して行動してきた内気人間には、
秘められた才能を発揮するチャンスであり、人のつながりを
大切にしさえすれば、自分の隠れていた能力に気づかせて
くれるでしょう。

主格転倒の逆転現象も起こり得る時代になったことを
自覚しましょう。

求められるEQ人間

基礎能力も身について五、六年経ったビジネスマンなら、仕事を
クリエイティブにこなせると同時に、後輩の面倒見も要領を得て、
いよいよこれから先の人生をしなやかに生き抜くための応用能力を
しっかりと体得することに焦点を合わせていかなくてはなりません。

この応用能力のベースになるのがEQです。

EQ能力とは、
自分の感情を把握する能力、他人の気持ちを理解する能力、
どんな状況のときも前向きに目標に向かって進もうとする能力
の資質を合わせたものをいいます。

具体的には、他人の気持ちがわかり、共感できる人間、対人関係の
中で客観的に自分を推し量れる人間、長期的に自分をコントロール
して耐えられる人間、人あたりの柔軟さがある人間、物事を楽観的に
とらえて相手と調整してつき合える人間、怒りや不安などの激情に
押し流されない人間などをいいます。

これに較べてIQとは、知能指数のことです。
なぜ、いまの時代においてIQ思考は重宝されずらいのか?

それは人間をモノと同一次元で捉えてしまいやすいためと
言われています。

IQ思考というのは一般に、こうすればこうなる式の計算で、
物事に答えを出そうとする癖がすでに回路になってしまっているのです。

モノについてなら、部品を集めて仕様書やマニュアルどおりに
組み立てていけば形になりますが、そんな思考方式を、情緒を
持った人間相手に応用しても、思惑通りに人は巻き込まれたり
しないのです。

ましてや、自分がそうであったからと鋳型にはめ込もうとしても、
EQ人間のほうに抵抗力があり、ひと筋縄では思い通りにならない
だろう。思い通りにならないと、IQ人間の回路思考は制御
できなくなってパニックを引き起こし、ひどい場合には
ノイローゼにしまうこともあります。

陥知能指数(IQ)ではカバーできないものを、相対的にひと言で
表現しているのがEQなのです。

EQ人間と言われる人は、誠実な心、ひたむきな情熱、思いやり、勇気、謙虚さといったものを包み込んだ個性であり、心の魅力の総和です。

魅力的なEQ人間には、目に見えない香気が漂っているものですが、
努力さえすればだれにでも手の届くものです。

内向型人間の意義

人間関係の基本ルールは、人間としての資質に付加された柔軟な心で、お互いが価値を認め合える魅力的な関係を目指すところにあります。

ポイントは3つです。

1.自分らしく生きることに徹する姿勢
自分らしくに徹して生きようとする緊張感が人間としての
迫力を生み出して、相手の心を打ち、感動させます。

2.相手の立場になって考え、思いやること
常に相手の立場に立って、相手の心情を理解するように
努めることです。人情の機微、人生の妙を知ることになり、
人間の幅を広げていくことにもなります。

3.意欲的な持ち味づくりをすること
持ち味のない人に接した後には空虚な思いしか残らない。
こうした人とのつき合いは先細りになり、人脈づくりからは脱落
してしまいます。

つき合いはお互いの個性のぶつかり合いです。

個性ある人たちの中でもまれる過程で、人は成長し、
円熟味を倍増させて、自分もまた評価されるような
個性を育てあげていくものです。

この3つの基本ルールを身に付けておくことが、
自分自身の存在意義を証明するための不可欠な手続きになります。

これがやがてその人から漂う香りの元になり、凝縮されて
人間信用状に化していきます。

感性豊かな良い香気を漂わすことができる心ある人には、
人格と人望が備わり、人間信用を得ることができます。

香りとは、その人の個性と心の魅力などの総和です。誠実な心とひたむきな情熱、思いやりから香り立つものである。単に好かれるだけでなく、その人なりの持ち味が生かさのです。

見る目が厳しくなってきて、外面の印象よりもその人の価値観に
こだわりを持ち始めている。明朗さ、真面目さ、素直さといった
基本的なプラスイメージに加えて、人間の裏付けが求められて
いるのだと思います。

仕事の上でも、人生の上でも、自分にしかできないことを
何かひとつ残すという使命を持つことができれば人は変わります。

この自己実現を達成させていくには、自分一人の力では限界があり、
多くの人たちの支援を受けることで可能になります。

何かひとつ、やりたいことを見つけ、ひたむきに自分のできることを
ギブ・アンド・ギブで徹底していきましょう。

そうすれば、必ず人は振り返り、寄ってきてくれるようになる。
それが自分らしく生きることに必ずつながります。

人間臭さ、自分らしさを大切にしよう

会社にはコーポレートアイデンティティ(CI)というのがあります。

「こういう商品をこういう理念の基につくっています」という
独自性を訴えるものです。

これに対し、個人一人ひとりにパーソナル・アイデンティティ(PI)が
あり、CIはPIによって成り立っている。社貝みんなが自分自身の持ち味をアピールすることで、企業文化というものが成り立っています。

今は、モノを売るより、人を売る時代です。

どんなに良い商品を市場に出しても、環境破壊に加担しているような会社ではトップや社員の質が疑われてしまうし、社員に自己主張するものが何もなく、何の持ち味もなければ、どんなに恰好をつくろっていても、商談は成立しません。

人間の活力(PI)がなければ、企業の発展は期待できません。
社内にちゃんと自己主張のできる確立されたPI社員が増えれば
増えるほど、企業の発展度は大きくなります。

そうなると、自分の存在感を確立するような持ち味を
どう打ち出すかが、ビジネス人生において重要な意味を
持つことになります。

まず、どんな能力を自分の売り物にしていったらよいか、
自分という商品価値を正しく評価させるにはどうすればよいかを
探り当てなければなりません。

そのためには、時代の流れがどう変わってきているのかを
じっくり洞察してみる必要があります。

そして、今の段階では、自分の持てる能力のうち、
どれが流れにマッチした形で活用していけそうかを
判断することが大切です。

その際の判断基準に、決して無理があってはいけません。
内気は内気なりの自分らしさを訴えられる戦略が必ず
あります。

自分らしく振る舞うことで好感度が得られます。

「らしく生きる」には緊張感が伴うし、口ベタだからこそ、
そうしたひと言は高倉健の魅力のごとく、
「おや」と相手を惹きつける魅力になります。

自分らしく生きるということは、自分の時間を生きていると
いうことだから、他人に邪魔されることもありません。

あくまでも他人にない自分という個性です。

常に磨きをかければ、どんどん他人が真似できない豊かな
オリジナリティになり、知らず知らずのうちに人間らしい
香りが出てきます。

そうした人間らしい生活行動の中にうまく仕事をはめ込んで
いけばいいです。

そういう人材は会社にとっても貴重な存在で、ほうって
おかないものです。

ビジネスの中で、自分という商品価値を正しく相手に
評価させていくには技術が要りますが、未完成でも努力
している情熱が伝われば、会社もリストラの対象にしたりは
決してしません。

人にこだわって生きよう

これまでの企業は社員に十分なメリットを与えてきた代わりに
鋳型にはめ、使いやすい所有物に教育して利益を上げてきました。

社員も依存心が強く、合理的で打算的なIQ人間なので
上司の一喝にも従順で、高い月給が保証されているから
満足していられました。

しかし、今や企業に余裕はなく、大勢の社員がぶら下がれるだけの
余力はなくなってしまいました。

そうなると、自立した生き方を求めなければななりません。

IQ人間もEQ人間も同じ一線に並んだかけです。

皆が皆、一度しかない人生を自分の足で立ち、自分らしく
生き抜いていく意欲を持たなければなりません。

それには一人の力では能力的に限界があります。

自分に欠けた英知を持つ者と繋がって補い合う関係を
つくりだしていくことが大前提になります。

内気な性格は人当たりが悪くないのだから、現状から
飛躍し成功するには、自分にない能力を持った
かけがえのないパートナーを、できるだけ多く捕らえて
いくことが大切です。

他人との共生を目指す概念を持ち、自分らしさと、
人にこだわって生きる道を探っていくわけです。

内気の利点の活かして自分らしく仕事をするには?

内向型人間にはひとつの共通パターンがあります。

いわゆる大器晩成型と言われるものです。

確かに自己表現があまりうまくなく、周りとの協調性が
あまり見られないので、本来の能力が認められず、
多少の時間がかかってしまう、ことがあります。

私もそうでした。

ですが、それだけ根気強い資質が備わっていますし、
おまけに慎重で思慮深いので、この利点を活かさない手は
ありません。

ただ、覚悟したいのは、こうした内向タイプには
必ず直面するカベがあります。

外から突かれるカベ、自分が持っているカベの両面を
乗り越えなければならない覚悟が必要になります。

私の知人もひどい吃音を克服して見事に一流の話し手になっています。

このカベの克服は、病気になっても病人にはならないぞ、
という気持ちと同じで、自分との闘いでしか勝ち取れないものである。

その覚悟でやりたいことに臨めば、根気強さはだれにも負けない
どころか、いずれ良い結果と感動をもたらすはずです。
仕事の流れを良くすることが、時間的にも能率的にも、
気分的にもゆとりを生み出してしまうのです。

ワンパターンになりがちな仕事や勉強の中に、緩急自在の
アクセントをつけ、「自分の時」をいかに創造するかを考え、
自分らしくやってのけてしまえるのがEQ的な仕事の進め方といえます。