仕事を辞めたいと思っている人へ

 

あなたは、仕事を辞めたいと一度や二度は感じたことがあるのではないでしょうか。仕事を辞めたいと思う理由は人によって様々でしょう。

例えば、給料が低すぎる。人間関係が煮詰まっている。仕事にやりがいを感じられない。労働時間が長過ぎる。社風が合わない…。

仕事を辞めるべきか続けるべきかを考える際、あなたがやっている仕事やおかれている状況により、その判断基準も違ってくるでしょう。

 

自分のやりたい事、得意な事を仕事にしている人

マーケットの世界では、お金を増やすためには、サービスや物の提供に対して、安いコストで売り、多くの買い手を増やす方法か、またはその物の品質を上げ、希少価値が付く事で高い値段で売る方法があります。

もしあなたが料理、美容、デザイナー、写真等などの何かクリエイティブな仕事に関連した仕事で働いていて、ずっとその道で生きていきたいと思うならば、お金を得る為には、まず自分自身の品質を上げなければなりません。それでなければ、マーケットはあなたにお金を出さないからです。

それでは、品質を上げる為にはどうすればよいのでしょうか。

それは、まさに「経験を積む」ことです。

何故ならば、ほとんどの人はいきなりその道のエキスパートにはなれないからです。一般的によく言われていることですが、その道のエキスパートになるには、おおよそ10,000時間の経験がいると言われています。

殆んどの人は働きながら、その仕事のスキルを身に付けていくのです。

あなたが、すでに長く経験を積んでいてある程度スキルアップされているなら、今の会社を辞めて別の会社に転職することも、独自で企業することも考えられます。
しかし、まだ仕事をやり始めてそれほど経っていない場合だと、すぐに今の仕事を辞めて、また同じ業種の仕事を得ることができるとは限りません。例え独立したとしても、やはり最初の頃は、その道ですぐに食べていくのは難しいでしょう。

その為、まず、あなたがやらなければならないことは、経験を積んでスキルをアップすることです。もし今やっている仕事が、本当に自分の「好き」で「得意」な事で、出来ればずっとその道でやりたいと思っていて、なおかつ、マーケットもお金が動いている業種であれば、そこで経験を積みながらスキルとアップさせていくことはとても大切です。

自分のスキルがアップすれば、マーケットはあなたのスキル(品質)に対して、お金を出してくれるようになるでしょう。
そうなれば、別の会社でも働けるようになるし、いずれ独立して企業することもできます。
なので、辞めるか辞めないかを決める際、あなたは、相場があなたにお金を出してくれるレベルか、もしそうでなければ、もう少し仕事を通してスキルアップが図れる会社で頑張ってみるのも、一つの案ではないでしょうか。(もちろん、その会社がブラックでない場合です)

 

もし自分が好きでもない仕事で働いている場合

もし、特に今のしている仕事が好きというわけでもなく(もしくはその仕事が嫌いな場合も)、その道のエキスパートになりたいとは全く考えていない、ただたまたまそこで仕事をしている場合についてです。

先にも述べたように、相場は、『一杯あるものには、あまりお金をださない』ものです。

これと同じで、会社も特に特殊な業種とかでなく、一般的な事務や営業などの仕事をしている者に対しては、それほど多くの給料を払いたくありません。なぜならば、もし給料に不満がある従業員がいるなら、辞めさせてもすぐその次の代わりが見つけることができるからです。
残念ですが、やはり圧倒的に会社(買い手)の方が有利なのです。
なので、もしその仕事が特にあなたの「好き」または「得意」というものではない場合、給料に不満があるとか、人間関係に煮詰まっているなどで、辞めようか続けようかとずっと悩んでいるのなら辞める事もありではないでしょうか。何故ならば、例えばどれほど一般事務のスキルをアップさせ、長くそこで働き続けたとしても、その仕事自体がユニークで独創的なものにはなりにくく、あなたも会社にとって、希少価値のある者にはなりにくいからです。

 

様変わりするビジネスの形態

バブルが弾ける90年代前までは、人は普通にサラリーマンになり終身雇用制度のもと、こつこつと同じ会社で働き続けれることが最善と思われてきました。

しかし、今日では、一見仕事には見えない、ただ遊んでいるような楽しそうな事をしているだけなのに大金を稼いでいる人がたくさんいます。

例えば、得意の英語を活かしフリーランスのツアーガイドとして外国からの観光客に英語で日本の旧所名跡を案内するだけで、年間数億円を稼いでいる人。好きな旅をしながら、面白くて興味深い事柄を動画やブログにアップすることで数千万円の年収をあげている人もます。

つまり、一昔前は、『サラリーマンにならなければならない』という観念が普通でした。

しかし、今日、マーケットがお金を生み出し動いているいるのは、「クリエイティブ」「独創的な発想」「楽しいもの」なところです。。

なので、辛い思いをしてやりたくもない仕事をし、ずっと悩み苦しんでいるならば、「自分が楽しい」と思える仕事を見つけ、それに向けて努力する方がよほど効率的ではないでしょうか。

 

 

今すぐ辞めるべき仕事!

もし、あなたがブラック企業で働いているなら、今すぐ辞めるべきです。
ブラック企業は、あなたを恐怖で動かそうとします。さまざまなハラスメントがあります。正当な給料を払いません。無謀なほど長時間労働をさせます。また辞めたくても辞めさせてくれない.…等々です。完全なブラックとまではいかないグレー企業であっても、あなたにとって相当の負担がかかるようなら、辞めるべきです。
その様な会社で働き続けると、連日、長時間の労働を強いられどんどんストレスが溜っていき、身体も頭も心も壊されてしまいます。
普通の人間ならば、体力的にも、精神的にも限界を超えれば、うつ病になってしまいます。

そしてたとえあなたがうつ病のような状態に陥っても、ブラックな会社にとってはどうでもいい事です。なぜならあなたの代わりはいくらでもいるからです。

もちろん保障なんて何もしれくれません。
会社の為に身体を壊すなど、自分を犠牲にして仕事をしては、絶対にいけないのです。

また、もしあなたの知り合いで、その様な状態に陥ってそうな人を見たら、すぐに辞めるようにアドバイスをしてあげてください。

今日、社会問題にもなっている過労死についても、その人は死ぬまで働き続け、身体も精神もボロボロになり、正常な判断ができなくなってしまったからなのです。もしそうなる前に、誰かから「その会社はおかしい!すぐに辞めるべきだ!」とアドバイスがあれば、もしかしたら、その人は死なずに助かったかもしれません。

 

働く意味が分からなくなっている時

『自分は何の為に働いているのだろう?』

この質問に対する答えを持つことは、将来のビジネスライフにおいて、仕事をするかしないか。仕事を続けるか辞めるか。または就活や転職の時も含め、迷っている時にはとても参考になると思います。

この答えを出す前に、ある例え話をしたいと思います。

3人の大工がいました。

その3人の大工に「あなたは何故働いているのですか?」と質問してみると。

一人目の大工は「働くのは大変だ。できれば働きたくない。でも、家族を養うために働いてお金を稼ぐ必要があるから働いているんだ。」と溜息まじりに言いました。

二人目の大工は「働くことは楽しい。立派な建物を建てるのは職人の誇りだと感じている。」と言いました。

3人目の大工は「働くことは自分の使命であり生きがいだ。自分は後世代々、人々に役に立ってもらえる建物をここに建てている。そしてこれから何十年も何百年も先まで、ここに訪れた人々が幸せな時間を過ごすことを思うと、自分も幸せな気持ちになり、頑張ろうと思える。」と言いました。

同じ作業をしているのに、その働く目的が人によって変わるのは何故でしょう。

ここから3つ理解できることがあります。

  1. 仕事は自らの選択により、どう働くかを選択できるということ
  2. その選択に対して、自らの解釈や意味付けができるということ
  3. 自らの解釈や意味付けにによって、充足を感じることも絶望を感じることもできるということ。

同じ仕事をしていても、その仕事に対して自らの解釈と意味付けにより、「何のためにこんなことをやっているのだろう」という虚無感を感じ、眼の前の仕事をうんざりしながらするのと、人が喜んでくれる立派な建物を建てているという充足感では、はるかに生産性に違いがでます。

つまり、充実したビジネスライフを送るうえで、自らの仕事に対して、解釈と意味付けをしておくことは、様々な問題や悩みに対してもポジティブに解決できるカギとなり、人生の幸福度もはるかに高いものとなります。

そしてこの3人の大工は、「なぜ働くか」を以下のようにまとめてみると。

  1. 労働: お金の為に働く
  2. 自己実現: 自分の専門能力を発揮して、自らのやりたい事を成し遂げる
  3. 奉仕: 第一の目的は報酬ではなく、自分の身体と時間を使い、人に何かをしてあげる幸せ。

もし、自分が新たに仕事をさがすなら、「自分がやりたい事、楽しい事」を見つける事はとても大切です。そしてその仕事を通じて自己の成長とスキルを磨き、それを活かして人々へ奉仕ができるようになれたら、それはあなたにとって最高の幸福になるのではないでしょうか。

 

最後に

仕事を辞めるか辞めないかについては、やはり理性的に分析するのが良いと思います。

紙に書き出してみるのも、客観的にみることができる方法です。

「今の仕事は自分がやりたい仕事か」

「その道でキャリアを伸ばして行きたいのか」

「なぜ辞めたいのか」など。

それによって、もう少し頑張るか、辞めるのもアリかを選択する材料にできるのではないでしょうか。

また「なぜ働くのか」ということを明確にすることで、働く意欲に繋げることができます。

もしあなたの誠意を役立てることができる会社で働くことができ、自分の能力(スキル)を伸ばし、最終的に他者への貢献ができる。そしてそれで給料をもらうという事ができるならば、ビジネスライフにとってもあなたの人生にとっても最高の幸せになるでしょう。