量子力学から観た「引き寄せの法則」のすすめ

 

今日では、「マーフィーの法則」、「ザシークレット」、ナポレオンヒルの「思考は現実化する」等の書籍が話題となったことで、「引き寄せの法則」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「引き寄せの法則」とは、願った事や思ったことを現実にする事です。

そんな事を聞くと、何か怪しいオカルトかスピリチュアルなイメージを連想してしまい、自分とは関係ない、そんなもの信じないと思っている人もいるでしょう。

それでも、目には見えないのに、コンセントから電気が流れることや、電波の通じる所では、携帯電話でメールできることは信じることができると思います。

それは、目には見えなくても、それらは「物理法則」に基づいていて「当たり前」と認識されているからです。今日、私たちの生活に欠かせない携帯電話やパソコンなど、あらゆる電子デバイスの現象を説明するのに、「量子力学」が用いられています。量子力学は、アインシュタインの相対性理論と並んで現代物理学の土台となる理論体系なのですが、生活必需品の恩恵だけでなく、実は先程の「引き寄せの法則」についても、量子力学によりその法則の現象を説明することができるのです。

というのも、量子力学と「引き寄せの法則」やスピリチュアルの世界は非常に類似している事が判明しています。
それは何故でしょうか。
実は、この世界は確固たる物質で構成されているものではなく、突き詰めれば、全てはエネルギーであるといのが量子力学の理解だからです。

 

量子力学とは

全ての物質、つまり人間も含めてこの世に存在する万物は、原子によって作られています。一昔前までは、この原子がこれ以上分解できない最小単位の物と思われていました。が、現代ではその原子はさらに電子とクォーク(中性子、陽子)に分解されます。そしてそれ以上、分解できない単位を「素粒子」と呼び、この素粒子を研究しているのが「量子力学」です。

 

類似した量子力学と「引き寄せの法則」やスピリチュアルの世界

人間を含めた世の中の全てはエネルギー体である

さきに述べたように、人間も含めた全ての物質(宇宙の万物)は、素粒子から成る「素粒子の塊」であると言えます。
原子は、中心にある原子核とその周辺を電子が高速で回転しています。電子を米一粒で例えると、原子核は東京ドームほどの広さになります。つまり原子は殆んど(99%以上)が空間で構成されているのです。そうすると、原子は殆んど空っぽの状態といえます。
でも、私たち人間や物質は原子で構成されているにも関わらず、スカスカで空っぽではありません。
なぜ人間を含めた物質は透明でなく固いのでしょうか。

それは、この原子の空間を「電子」がとんでもないエネルギーで高速運動しているからなのです。扇風機の羽や自転車の車輪が回っているとき、そこに面ができます。石ころも跳ね返します。それと同じで、この猛烈な速さで回る強烈なエネルギーが固さのある物質を作っているのです。それで人間は固い物体として存在しているのです。

つまり、「物質(人間)」というより「エネルギー」であると言った方が正しいのです。

人間、動物、植物、海、山、水、空気、光、音、色、匂いなど。この世の全てはエネルギーであり、エネルギー体と認識できるのです。
言い換えると、この世の全ては「エネルギー」しかないということです。
スピリチュアルや「引き寄せの法則」でよく使う「気」や「波動」という言葉も、同じことを意味しています。その為、量子力学と「引き寄せの法則」やスピリチュアルの世界は非常に類似していると言えるのです。

 

常識を超えた素粒子の性質

さらに驚くことに万物を作っている素粒子は、私たちの常識では想像できない性質を持っています。

その一つとして、素粒子は、
 人が見ていない時や思考を向けていない時は、目に見えない波動(エネルギー状態)であり、
 人が意識した(見る/思う)時に物質(粒)化する事が判明されています。

※二重スリッドの実験より
参考:(アインシュタインも亡くなるなでこれに反論したが、結局最後まで論破することはできず敗北している)

つまり、人間の意識が介入していない時は、万物は波動であり非物質であるという事から、

『人間こそが万物に影響を与えている創造主』であり、『人間があって万物がある』という新常識を量子力学が証明したのです。

またこの他に別の興味深い実験があります。

 

思考が現実化する仕組み

素粒子同士の高速衝突実験

フランスとスイスの国境に位置した所の地下に建設されたCERNという巨大加速器センターがあります。
ここでは、素粒子同士を高速で走らせ衝突させるという実験を行っています。
それは、山手線サイズもある円形のトンネル内でお互いプラスとプラスの素粒子を別方向から光と同じ速さのスピードで走らせ衝突させるという実験です。

この実験から、とても興味深い結果が分かりました。

それは、粒同士が物凄い勢いでぶつかった際、粒が消えてなくなり(対消滅)、その直後に新たなエネルギーが生まれるのです。そしてまたその直後にその二つの元々のエネルギ-を併せた以上の新たな物質が生まれた(対生産)というものです。

東京大学・村山博士が、この実験結果を「軽自動2台が高速で運転していて正面衝突した」という例えを用いて、分かりやすく説明してくれています。

それは、それぞれ100㎏の軽自動2台が高速のスピードで走りぶつかりあった際に、2台の軽自動は突然消えてしまい、そこにエネルギーが生まれ、そこからすぐに200㎏を超えトラックやダンプ、バスなどに変化してしまうようなものだと説明されています。

思考が現実化する仕組み

上記の結果をまとめると、
① 「物」と「物」との衝突からエネルギーが生まれる
② 「エネルギー」と「エネルギー」の衝突から物が生まれる

ここで「物」とは、もちろん世の中の全て、個体、液体、気体などの分子や原子を含む物、つまり私たちの肉体も、飲んでいるジュースや、空に浮かぶ雲も、目には見えない空気など全てです。

そして「エネルギ-」とは、水をお湯にする熱や、私たちの意思、思考も振動(波動)でありエネルギーです。また私たちが発してる言葉、愛、祈りなどもエネルギーなのです。

そうなると、先の実験結果から、

① 「物」+「物」 ⇒ 「エネルギ-」
② 「エネルギ-」+「エネルギ-」 ⇒ 「物」
であるなら、
③ 「エネルギー」のあるところに、「私たちの思考エネルギー」をぶつけると ⇒ 物 (現実)となるわけです。これが、思考は現実化する仕組みなのです。

生体光子(バイオフォトン)から自己肯定感を高める

水をお湯に変える(熱エネルギー)と同じように、例えば自分自身の言葉がけ(言葉エネルギー:アファメーション)によりが素粒子を動かします。素粒子は、先にも述べたとおり、「波」でもあり「粒」でもあります。その両方の状態を踏まえて「光子(フォトン)」と呼んでいます。私たちの体のDNAの中にこの光子はあります。

量子力学では、『意識とは共時的なフォトンである。つまり、脳内だけで起こるのではなく、身体のあらゆる部分(全細胞)に生じる全体現象である』と言われています。

簡単に言えば、つまり、「意識とは光であり、その光は体全体から発せられている。」または、「人は常に光を発していて、その光の事を意識という」となります。
例えば、自分に「できる。大丈夫」という言葉を発すると、細胞のDNAから「できる。大丈夫」という意識(フォトン)が身体から発せられます。そのフォトンは波であり、「大丈夫」という波長を発します。それが現実をつくる(現実化)なのです。これらの仕組みをバイオフォトン(生体光子)といいます。

分かりやすく説明すると、テレビのチャンネルのようなものです。
あなたが、「嬉しい」のチャンネル(周波数)を選ぶと嬉しい周波数の番組が映り、「できる。大丈夫。」のチャンネルを選ぶと「できる!大丈夫」の映像(現実)が映し出され、ネガティブの周波数のチャンネルを選ぶとネガティブの周波数の映像が映るのです。

素粒子で作られている万物は、人間の観察、つまり人間の「意識」が注がれたときに物質化します。

それは、目の前で起こっている現象は、あなたの意識がその現象を決定(確定)していると言えるのです。つまり、これも「良い意識」をすれば、良い現象が物質化され、悪い意識をすれば、悪い現象が物質化されるということです。
意識無くして存在するものは、この世にはないというのが量子力学の理解だからです。

 

 

引き寄せを起こす力の強い人になる方法

なぜ望んでいない現実が起きるのか

量子力学では、「あなたの意識が万物の状態を決定している」ことを証明しています。これはつまり、全ての現象は、あなたが好んで選択したことが起きていると解釈することができます。

しかし現実はどうでしょう。とても全てはあなたが好んで選択した理想の現実になっているとは思えません。それどころか、まるで自分が望んでいない事ばかり起こっているようにすら感じるのではないでしょうか。

その原因は、ずばりあなたの無意識(潜在意識)が原因なのです。

よく意識の90%が潜在意識だと言われています。潜在意識(無意識レベル)では、今まであなたが生きてきて植えついてきた観念(思い込み)であったり、社会通念、世間体、常識、周囲の価値感、個人の体験から信じてしまった独断と偏見から成り立っています。

実は、その潜在意識の殆んどは「恐れと不安」がベースで作られているのです。「自分には無理だ」とか「失敗したらどうしよう…」と感じるのは、恐れや不安をベースにした潜在意識がそうさせているのです。
さらに、潜在意識は、罪悪感や孤独感、無価値観などによりあなたのセルフイメージを下げるのです。
そのせいで、自分の望む現実を引き寄せる力も下がってしまいます。

潜在意識の書き換え

それでは、その潜在意識に働きかけてセルフイメージを高めるにはどうすればよいのでしょうか。

それは、まずあなたの「観念」を手放し、観念に束縛されない「自由な存在」になることなのです。というのも、あなたが今見ている世界は、あなたが持っている「観念」の反映だからです。
その為に、あなたの観念を「自分にとって望ましい観念」に書き換えるのです。

しかし、そうは言っても、どうやって今までの観念を手放し、自分の望ましい観念に書き換えることができるのでしょうか。

一つには、まずあなたが体験してきた出来事に対して、独自の「意味づけ」をすることです。

起こる全ては必然だと信じる

一昔前に話題になったTV番組の「オーラの泉」というをご存知の方もいるかもしれません。その番組の中で、よく「すべての出来事に偶然はありません。すべては必然なのです」と言っていました。

この言葉が真実か真実でないかというのは別として、この言葉の意味をもしあなたが信じる事ができれば、今までもし辛い出来事があったとしても、何かそこに意味があるのではないかと考えるのではないでしょうか。偶然ではないとすれば、なぜあの様な経験をする必要があったのだろうか?何の意味があったのだろうかと。

自分の経験はこのように何か意味があるのではないだろうかと考える自分と、ただ起こった出来事に流され何も考えない自分では、同じ出来事を経験しても、その後の心の在り方や見えてくる世界、人生は全く違ったものになるでしょう。

松下幸之助氏に学ぶ

潜在意識の8割はネガティブな事と言われています。しかし、過去の一見、ネガティブに見える事もあなたの意味づけ次第で、ポジティブに変換できます。例えば、パナソニック株式会社(旧松下電器)の創始者、松下幸之助氏の人生について見てみましょう。
彼の家は、彼の祖父の時代まではかなりの資産家であったそうです。しかし、彼がまだ幼少の頃に、彼の父親が米相場で失敗し、一文無しになってしまいました。学校にも行けず、9歳から丁稚奉公を始めましたが、最後には「世界の松下」と呼ばれるまでに会社を成長させました。

松下氏が人生をプラスに捉えた意味づけ
貧しさ⇒ 学校で勉強できなかった代わりに沢山の本を読んで勉強した。そこから独自の自由な発想をする能力を得ることができた。
病弱⇒ 病弱さから人を育てなければならない大切さを学ぶ(自分の資産70億円を投じて松下政経塾を設立)

また彼は、丁稚奉公時代からずっと「自分には億万長者の血が流れている」と信じ続けたそうです。その強い信念が潜在意識を常にポジティブに保ち、成功へを繋げることができたのではないでしょうか。

心理学における倫理療法

過去の失敗した経験や自分の欠点から、自分の事を「消極的な性格」「意思が弱い」「ネガティブ」とマイナスに捉えてしまい、それらが固定観念となって潜在意識に植え付けられていきます。

本当は、それらは真実ではなく、ただの思い込みなのだという事を理解することが大切です。

例えば、

「ヒマワリは黄色」と言われたら、それは正しいのでしょうか。実は、ヒマワリは、黄色あるというのが真理でしょう。
チューリップは赤もある。(けど、黄色もピンクも色々な色がある)

車は早い(早いのもあるけど、遅いのもある)

勉強は嫌い(嫌いなのもあるけど、好きな物もある)

など、知らないうちに思い込んでいる(固定観念)を、あえて文字や言葉で表し変換してみるのです。この方法を使い、それぞれの人が植え付けてきた固定観念を書き換えていきます。
例えば、「自分は頑固な性格だ」と思っているとしたら、「自分は頑固なときもある。けれどそうでないときもある。」というような感じです。

そうしていくことで、様々な側面があることに気付き、背後に隠れた肯定的な意味を見つける事ができるようになるでしょう。

例えば、「私はすごく喜怒哀楽が激しいけど、それは悪いことばかりじゃない。それは情熱的で感情豊かでもあるのよね。」と意味付けします。

「私は頑固だけど、いいところもいっぱいある。誰よりも信念をしっかりと持って生きているもの。」、「私は意思が弱いときもある。でもそれはとても協調性や順応性に長けていることなのよ!」と言い聞かせてあげましょう。

マイナス面ではなく、プラスの面に意識してどんどん観念を書き換えていきましょう。

リフレーミング

リフレーミングとは、枠組みを変えるということです。
日常的に起こる一見ネガティブに見える出来事を、ポジティブな意味づけにしていく方法です。

例えばドライブしているとき。
いつもより赤信号に引っかかったとします。それを「今日はついてない」と思うのではなく、「信号に引っかからなければもっとスピードを出しすぎていたかもしれない。こうして安全運転ができて、今日はついているなぁ~」と思うように意識するのです。

小石につまずいて転んだとします。「ぶつかったのが車でなく、小石でよかった」

10万円入っていた財布を落とした。「10万円で済んで良かった~」と(最初は)無理やり思うのです。

そのうちに自然とプラス思考のリフレーミングができるようになります。

そうしてどんどんと肯定的な意味づけを行い、繰り返していくことで、潜在意識は、どんどんと書き換わっていき、より良い観念が潜在意識を満たしてくれるようになります。

メタ認知

意識の中には、頭で考える意識と心で感じる意識があります。

普段は、頭の意識を使う事が多く、それはネガティブな思考に傾きやすいのです。

例えば、

私はなんでいつもこうなの?

私だけいつも不幸せ。

何をやってもうまくいかない・・・

その様な時、心の意識を用いて、優しく頭の意識に話しかけてあげてください。

何を言っているの?
あなたは恵まれているよ。

だって、雨風しのげる家もあって、食べ物もあって、仕事もある。

大丈夫…

不自由なのは、あなたの思い込みだよ~!!!

頭(思考)はいつもネガティブなために、心の意識がそれに気づかせてあげ、サポートしてあげることが大切です。

継続は力なり

ここで、もう一度、量子力学について繰り返しになりますが、

万物は、人間が観測(意識)したときに状態が確定すると言われています。

しかし、その意識の90%は「潜在意識」が働いて、そこは「恐れと不安」がベースになっている為に、望み通りの人生が引き寄せられないでいるのです。
潜在意識は、心の奥深くに隠れているものです。なので潜在意識までたどり着くことや書き換えることは容易ではありません。しかし不安や恐れに支配されないスキルを得る為にも、3歩進んで2歩下がるようにゆっくり焦らず、繰り返し、繰り返し、普段から意識してすべての出来事をポジティブに意味づけができるように訓練していきましょう。

 

最後に

今回、ここに紹介させて頂いた「量子力学」についての性質は、現在研究されている素粒子の性質のほんの一部分です。量子力学について深く広く知りたいという方にとっては物足りないと感じたかもしれません。

ただここでは、量子力学についての詳しい説明ではなく、それが引き寄せの法則を科学的にどう説明でき活用できるかということに焦点をあて紹介させて頂きました。

量子力学では、『あなたが見ている「この世」も全ては幻想である。「この世」の正体は、波紋のような「エネルギーとエネルギーの干渉」があるだけで、人間を含め、全ての万物は「素粒子の塊」にすぎず、エネルギーが干渉し合って作る「無限の波紋」が広がっているだけ。』と言われています。
これは2500年も前に、仏教の般若心経でも、『私たちの肉体も、心も、思考も、感情も、すべて幻想である。存在すると思われているものすべて無である、何もない(現代訳)』と、繰り返し言っていることと非常に似ていると思います。
つまり、量子力学も般若心経も「私たちは何も決まっていない「空の存在」で、何にでも変化する「諸行無常」の存在であると言っているのです。

このように量子力学がスピリチュアルの世界や仏教、神道、あるいはキリスト教などにとても似ている部分が多いのに驚かされます。

ミクロの領域を扱う量子力学もにわかに信じがたいものかもしれません。

しかし、目に見えるもの以上に想像を超えるような見えない世界が広がっていることを知ることは、ただ物理的事実と捉えるだけでなく、ある種のロマンでもあり、また生きる勇気と希望を与えてくれるものではないでしょうか。